すぐにできるプレゼンテーションを上手くする方法 その4

熱意について

熱意について熱く語りたい。
プレゼンテーションをする上でのちょっとしたコツというか心構え的なものを徒然なるままに書いてみたけれども、大前提として、プレゼンテーション内容はともかく、発表者の熱意というものがある。

一番初めにも書いたが、プレゼンテーションの本質は、相手に何をしてほしいのかを伝え、実際にその行為に導くことだ。しかしながら、いくら完璧に資料を用意し、流暢な説明をおこなっても、そこに熱意がなければ相手は納得はしても、行動するところまでいかない。逆に熱意があれば、少しくらいの失敗や欠点はカバーできるのだ。
熱意とは究極のところ、愛のことだ。相手への愛、提案内容への愛、そして自分への愛。

究極のプレゼンテーターは結婚詐欺師

結婚詐欺師を例に説明したい。

時折テレビのニュースを見て驚くことがないだろうか?そこに写っているのは、中年で小太り、お世辞にもかっこいいとは言えないスタイルの男性。結婚詐欺師だというのだ。
「え、この顔で結婚詐欺師?」
「なんでこんなのにだまされちゃうの?」
と誰もが驚く。こんなのに騙されるのはいったいどんな馬鹿だと。

違うのだ。どんな人でも騙されてしまうのだ。なぜならそこには愛があるから。

恋は盲目というが、一度相手を信頼し、愛してしまったらすべての理由がいらなくなってしまう。なんで騙されたのか?愛していたから。なぜそんなに簡単にお金を貸してしまったのか?愛していたから。なぜ何度も金をせびってくる相手にお金をあげてしまうのか?愛していたから。なぜおかしいと思わないのか?愛していたから。

愛するというのは、信頼度の最も高い他人への歩み寄りだ。そのため、どんなに理不尽なことでも、受け入れてしまうのだ。時には間違っているとわかっていても馬鹿なことをしてしまう。それが人を愛するということだ。もっともそんな人間の尊い感情を利用する結婚詐欺師は言語道断ではあるが。

人間は時として、理論や打算をすて、感情にすべてを支配されてしまうのだ。
この愛するという感情を、プレゼンテーションでも利用できれば、それ以上の武器はない。愛さえあれば、何もいらないという状況までもっていければそれこそ、墓石だってロケットだって売れてしまうのだ。

吉川ひなのさんの名言

では、他人から愛してもらうにはどうしたらいいのか?

それがわかれば苦労はしない・・・と誰もが思うだろう。確かにそうだ。こうすればOKという必勝法があれば、この世から恋愛相談なんて消えてしまう。ラブワゴンで世界を回らなくたっていいのだ。

以前、あるバラエティ番組に出演した吉川ひなのさんがこんな話をしていた。それはひなのさんが自分のことが大好きで大好きでたまらないという。司会者はよくそれだけ自分のことを好きになれますねとなかばあきれ気味に疑問を投げかけたところ、一番身近な自分自身が自分のことを愛せなかったら、どーして他の人から愛してもらえるの?と大きな声をあげていた。

そうなのだ。なかなか気がつかないことだが、自分ですら嫌いなものをいったいどうして他人が好きになってくれよう。ボクらができる最初の一歩は、まず自分のことを好きになる努力しかないはずなのだ。

ここでプレゼンテーションの話に戻るが、では愛されるプレゼンテーションをするにはどうしたらいいのだろう。

まずはプレゼンのテーマである商品だったり提案内容を、自分が愛してあげることだ。この製品をボクは好きで好きでたまらないんです。好きな理由ならいくらでも言えます。という状態であってこそ、そのプレゼンテーションは生き生きと輝きだし、相手からも愛されるものになるはずだ。自分が好きだから、自分が良いとうそ偽りなく思っているから、あなたにも紹介したいんだという思いがあって発せられる言葉には、自然と熱い思いがこもっているはずだ。
また自分の提案内容を愛していると、話もスムーズになり、自然と自信ある態度にもなれるだろう。
自分が良いと思っていないものを提案して、相手がうんと言うはずはないのだ。当然の話だが、意外と忘れがちな点ではないだろうか?

これですべてという話ではないが、最低限心がけておくべきポイントとして理解しておくと良いだろう。まずは全力で自分の提案内容を愛する努力をしてみよう。