菜の花が見ごろの舎人公園

とても天気が良い。テレビでも桜の開花を伝えるニュースが多くなってきた。そろそろボクの長い休暇も残りわずかということで、家族で近所の公園にピクニックに行くことにした。

近所の公園といっても、ジャングルジムや砂場があるような小さい公園ではなく、スポーツ施設やキャンプ場やドッグランまである広ーい公園だ。足立区にある舎人公園(とねりこうえん)だ。

ここにはレーガン大統領から寄贈されたというレーガン桜があるというので、それを見に行こうと思ってでかけることにした。簡単なお弁当を作り、冷やしておいたシャンパンとレジャーシートをリュックにつめて家の前からでる都バスで公園を目指す。うちからバスにのっておよそ10分の距離なので、非常に近い。

着いたのは1時過ぎ。舎人公園は平日の割には結構人がいる。14面もあるというテニスコートには大学生らしき集団がたくさんいて、なんだか不思議な声援が春の陽気に不釣合いな感じで響いてくる。けれどもそこには間違いなく春がやってきていた。目を覆う黄色がそこにあったのだ。一面の菜の花だ。

都内でこれだけの菜の花畑は少ないんじゃないだろうかと思えるくらいの菜の花が咲き乱れていた。そしてそのむせかえるほどに濃い春の匂い。くらくらする。モンシロチョウがその匂いに誘われてふわふわと飛んでいた。間違いない、春だ!それもボクの子供の頃の春と同じ春だ。そんな春を感じたのは何年ぶりくらいなんだろう。

てくてくと園内を散歩して、広場でレジャーシートを広げて弁当を食べた。シャンパンの栓を青空に向けておもいっきりふっとばし、妻と二人で昼間からシャンパンを飲んだ。知らない人に話しかけられてもにこっと会釈ができた(最近ようやくできるようになってきた)。娘に広い公園でハイハイをさせた。気がついたら草をむしゃむしゃされて慌てて口に指をいれて取り出したりした。ゆるゆるとした時間がボクらを十分癒してくれた。

平日の東京の隅っこのほうでは、のんびりとした幸せな時間が結構楽しめるってことに、たぶんこの長い休暇をとらなければ気がつかなかったかなと思った。春はお弁当をもって、近くの公園にピクニックに行こう!とみんなに大声で教えたい。きっとなんでもないけどなんとなく幸せな時間をすごせると思う。