なんのために「自分をグーグル化する方法」が必要か?

id:dankogai大絶賛の勝間本を初めて読んでみた。

効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法
勝間 和代
ダイヤモンド社 (2007/12/14)
売り上げランキング: 4
おすすめ度の平均: 4.0
2 ターゲットは誰なのか
3 ちょっとがんばりすぎ
3 ある意味凄いんだけど・・・

いろいろと書評を読んでみると、内容が薄いとかそんながんばってどーすんのという意見から、目からうろこ、即実践したいというような意見まで幅広い。ボクの感想は内容に関してはそれほど濃いという感じはしなかった。id:dankogaiがこれで10倍程度しか生産性が上がらなかったらあんたすげぇよというようなことを書いていたので、中身(How toの部分)にかなり期待していたし、タイトルが自分をグーグル化する方法となっているので、そりゃ期待は大きく膨らんでしまう。自分をあのグーグルにできてしまうんだから、ほんとだったら、すごいでしょ。グーグルいらなくなっちゃうんだから。
そういう見方ではいってしまうと、こりゃ詐欺に近いんじゃないかとも思う。

ただこのタイトルが「ライフスタイルの中心で情報活用を叫ぼう」とかだったら、誰も買わないか・・・。でもこの本が言おうとしていることは、ようはそういうこと。出だしではっきり勝間さんが言っている「情報こそが現代の通貨である」という部分、これがこの本の本質の部分なのだと思う。その本質を理解しないと「何のためにそんなにがんばるのか?」という感想になってしまうんだろう。もちろん「通貨」を効率よく入手して、「お金持ち」になって得をするためだ。「金余り」の世界で「偽札」やうその「金儲け」話に踊らされないように、自分をコントロールする術を身に着けないとえらいことになるよと勝間さんは、そう言いたいのだと思う。

大げさな話ではなく、もっと真剣に、切実に、情報を通貨だと思ったことがあるだろうか?ボクは思ったことがなかった。この本を上野のマックでコーヒーを飲みながら、ざーっと斜め読みしていたのだけども、その思いが頭に浮かんだ瞬間。窓から見える世界がぐんにゃりぐんにゃりと湾曲していくようだった。だから駄目なんだとがつーんときた感じがした。
ボクの考えの中では、情報が大事だよねー、情報過多の世界では情報の精査が重要だよねー、と「ねー」と語尾がのびちゃうくらいのかるーい気持ちでしかその認識がなかったのだ。そしてボクは結構うまく情報の波にのれている。そう思っていた。

でも断言する。だからボクは駄目なんだと。

この本にあるくらい、情報と真正面からぶつかっていく覚悟と努力がないとボクらは「賢い人からどんどん搾取され」続けてしまうのだ。

そんな気づきがあった良い本でした。