渋柿が甘くなるメカニズム

石川県かほく市にある柿農園に柿狩りにいってきた。いや正確に言うと、柿収穫のための人足として馬車馬のように働いてきた・・・。話では自分の食べる分を採っていけだったんだけどもなぁ。


この農園で取れる柿はすべて渋柿。73世代は渋柿と聞くとジタバッタしてられない世代なのであるけれども、実は渋柿は甘柿よりはるかにはるかにはるかに甘くておいしいのだ。これはあまり知られていない。


渋ーい渋柿を食べたことがある人もあまりいないと思うけれども、渋柿はその名のとおり、食べると渋い。とんでもなく渋い。でもこれが実は簡単にあまーい、おいしい柿に変化するのだ。

その方法は、とても簡単。アルコールを柿のヘタの部分にちょちょっとつけて、密封できる箱などに1週間ほどいれておくだけ。これだけで本当に甘くなるのだからなんとも不思議なのだ。


そのメカニズムは、渋柿に含まれるタンニンの性質変化にあるらしい。

渋柿に含まれるタンニンは水溶性。そのため、口に含むとタンニンが溶け出して渋く感じるのだが、このタンニンが、アルコール処理により、水溶性から不溶性に性質変化をするらしいのだ。そのため口に含んでもタンニンが溶け出さないため、柿がもつ甘みだけを味わうことができるのだ。


その渋柿のなかでも、このおじさんの作る柿はとても甘い。マンゴーのように流行してしまって値段が高くなると困るのであんまり教えたくないけれども、この季節、もし石川県かほく市産の渋柿を目にすることがあったら、ぜひだまされたと思って買ってみてください。


渋柿生産者:タダシおじさん
渋柿生産者:タダシおじさん posted by (C)ダチョウハンター


明日は、今日収穫してきた200個以上の柿をアルコール処理する作業が待っている。そりゃ大変面倒な作業だけども、あの甘い味を待つ1週間の楽しみを思うとわっくわくしてしまうのだ。